この小説はまだストックがあるんですよね・・・。
でもそろそろ続きを考えておいた方がいいかも・・・。
ラストはもう考えてあるんだけど、それまでが考えていなかったりします。

  1. *第2節 だんな様との会話


「お嬢様、ショコラお嬢様。起きてください。朝ですよ。」
 ショコラの世話係のニーナは今日もショコラを起こしていた。ニーナの後ろに、2名の若いメイドがいた。
「ふにゅ。」
「さあショコラ様、体を起こしますよ。」
 ニーナと残りのメイドは3人で、お嬢様の上半身を起こした。
「さあショコラ様、お顔を洗ってください。もうじきだんな様がお見えになりますよ。」
 ショコラは洗面器に入ったぬるま湯で顔を洗い、その間ニーナは彼女の髪をほどき、結え直していた。

 息をつく暇もなくノックの音がし、だんな様が複数の召使をつれてやってきた。名前はジュリアン・ヴルーベリといい、ショコラお嬢様の従兄弟であり、婚約者であった。
「おはようございます。ショコラ様。」
「じゅりちゃん、おはよう。」
「昨夜はよく眠れましたか?」
「昨日の夜ね、うさちゃんが来たの。」
「うさちゃん?」
「うさちゃんとお話したのよ。」
 ジュリアンは眉をしかめた。
「お嬢様はきっと夢をみたのですよ。」
 ニーナは小声で言った。
「うさちゃんね、翼があるの。空が飛べるの。あたしも飛べるかしら。」
「無理です。大体翼の生えた兎なんて聞いたことがありませんね。」
「ほんと、ほんと。ほんとに見たの。」
「可愛そうに。こんな狭い空間にずっといるからこんな夢まで見てしまうのですね。でもだからといってあなたをここから出すことはできないのです。許してください。」
「うさちゃんまた来るかしら?」
「失礼。もうそろそろ学校へいく時間なので。今日はこの辺で失礼します。ニーナ、後のことはよろしく。」
「はい、だんな様。」
 ニーナと後ろの二人のメイドは、深くお辞儀をした。ジュリアンは、そのまま部屋を後にした。
「さあお嬢様。しばらくこのままでいてください。ただいま朝食をお持ちしますので。」
「昨日の夜はうさちゃんと寝たの。」
「お嬢様、うさちゃんはどこですか?」
「う〜んとね。妖精さんたちの国。」
「では今度うさちゃんが来たら、私も呼んでください。」
「うん。」